青薔薇の至愛






空いている隣のレーンにガヤガヤと人が来たと思ったら、神様のイタズラとでも言いたげに、それは朱ちゃん達だった。



「ごっほ……ごほごほ!」


「だ、大丈夫?朝井さん、急にむせて」


「だ、大丈夫。ありがとう藤永君」



心配そうな顔で私の背中を擦ってくれる優しい藤永君に、隣に失恋相手がいますなんて気まずいこと言えない……。


知らんぷりして、ストライク連続の芽愛ちゃんの後ろ姿だけをただジッと見つめていたけど
やっぱり気になってしまう朱ちゃんの存在に、チラッと盗み見してしまう。



気まずいことにーーバチッと目が合ってしまった。




「ひぃ……?!」


「こんどはどうしたの?」


「なんでもないよ、藤永君!!
 あっ、次私の番だ!」



すぐに朱ちゃんから目を逸らして、動揺を隠しきれていない私は、逃げるようにボールを持つ。


未だにコツを掴んでいない私は、適当に投げようとすると。




「朝井さんもっと力抜いた方がいいよ」




後ろから現れた藤永君が、見かねたのかな?アドバイスをくれる。



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