青薔薇の至愛
さすがに好きな人を思い出したなんて言える間柄でもない……。
誤魔化すようにヘラっと笑うと、空気を読んだ藤永君はこれ以上は何も聞いてこないからすごく助かる。
「面白いね、朝井さんって」
「藤永君……今のどこに面白要素があったの??」
「コロコロ表情変えるとこ、かな。
面白いって言うよりも、可愛いの方がしっくりくるかも」
「か……っ?!」
可愛いなんて朱ちゃん以外の男の人から初めて言われた……!
恥ずかしくて熱くなる頬を冷やすため、ちゅーとストローでジュースを飲む。
そんな私を藤永君はニコニコとした顔で見つめるから、更に恥ずかしさは倍増。
分かりやすく顔を逸らすと、一気に血の気が引く。
「桜木さん、ボウリングとかできるんですか?」
「雪ちゃんってば俺のことバカにしてるの??
人になら何回も投げたことあるよ」
「危な。バカですか?」
「冗談じゃーん」
「あんたの冗談は冗談になってない。」
「桜木さんってほんと面白。
そんな場面見たら、俺ギャルピースしちゃうかも」
「朱光さんは朱光さんで意味分かんない。
もうやだ、この人たち」