転生悪役令嬢のお目付役

「スチュアート。我が側近として、お前の腕を見込んで頼みたい」

 今の状況を打破するしかないと、自分の今後の行動を決めていた。それがどちらに作用するのかは、わからない。

 俺の決意を感じ取ったのか、スチュアートは額から手を外し眉をひそめ顔を上げる。

「いい予感はあまりしないのですが」

「そう言うな」

 訝しげに続きを待つスチュアートに、ひと思いに告げる。

「ジュリアン嬢を、俺の正式な婚約者に相応しい人物に仕立て上げろ」

 予想以上の愚策だったのか失望を露わにさせ、スチュアートはため息を吐きながら頭をかき回す。日頃から美しく整えられている銀髪は見るも無惨に乱れ、その髪の隙間から鋭い眼差しが向けられる。

「皆を欺けと?」

「そうは言っていない。手始めに……そうだな。まずはグラフィス卿に再婚相手の手配を」
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