初恋物語~大切な君へ
坂垣さんとお話しをしていたら、
あっという間に料理が運ばれてきた。
颯太君がこっちに来る。
平常心……平常心と私は呪文のように
心で唱えた。
普通にしないと、もう過去の事なんだから。
と自分に言い聞かせる。




「お待たせ致しました。」
「こちら、渡り蟹のスープリゾット」
「でございます。」


そう言って俺はまず坂垣様にスープリゾットを
渡した。
そして片手が空いたと同時に、素早く
ポケットから3つ折りにした紙を
スープリゾットを渡すと同時にさりげなく
雫に渡した。



「!!?」



私は颯太君から何か紙を渡され、
状況が掴めない。
何?これ、手紙?
私は思わず颯太君に顔を向けた。
すると颯太君は内緒と言わんばかりの
口元に人差し指を触れて合図をしていた。
そして、ピザは少々お待ちくださいと
言って颯太君は再び厨房に戻っていった。


「なになに今の!?」



「何か紙渡されちゃいました。」



「見てみなよ!」



「はい……。」



21時に上がりだから、カールトンホテル
近くの海岸通りの船乗り場付近のベンチに
座って待ってて。
俺が早かったらそこで待ってる。

これ……私……行った方が良いのかな?
どうしよう……。
行くか凄く悩む……。

私は思わず坂垣さんの顔を見た。



「なんて書いてあったの?」



「えっと、颯太君から海岸通りで待ってて」
「って書いてました。」
「21時に仕事終わるみたいで、」
「颯太君が早かったら俺が待ってるって。」



「それって……。」
「彼、まだ好きじゃん。」

坂垣さんは何かボソッと言った。


「坂垣さん?」



「ううん何でもない。」
「木梨さん行くの?」



「どうしようか悩んでます。」
「でも、行かない方が良いのかなと。」
「圭介にも悪いし。」



「でも彼、待ってるって言ってるわよ?」
「それに向こうは友達って言ってるから」
「普通に友達に会う感覚で行けば良い」
「んじゃないかしら?」
「それに、さすがに待ってるのに行かないと」
「言うのはちょっと気の毒かな。」


「そうですよね。」
「ちょっと行ってみます。」


「また聞かせてね。」



「はい。」
「坂垣さん色々ありがとうございます。」



「いいのいいの!」
「私、この系の話し大好きだから。」


残りのピザもきて私達は美味しく
料理を堪能し、今日はここでお開きになった。



「坂垣さん、今日誘っていただき」
「ありがとうございます。」
「料理、最高に美味しかったです。」



「美味しかったね!」
「それに、レストランの雰囲気も」
「落ち着いてて良かったし。」
「後は、元カレと久しぶりの」
「お話し楽しんでらっしゃい(笑)」



「楽しい話しだったら良いのですが。」



「もう!」
「マイナス考えない!」
「今、木梨さんは結婚前提で付き合ってる」
「彼氏がいるんでしょ?」
「堂々としてれば良いのよ。」


「はい。」



「もうすぐで、21時なるわよ?」
「早く待ち合わせ場所行かなきゃ。」


「でわ、坂垣さんまた職場で。」


私は食事会解散後、海岸通りに向かった。
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