メリーバッドエンド
「……圭くん……」

若菜に名前を呼ばれて、胸が温かくなっていく。ほしかったプレゼントをもらったような時の感覚に似ている。俺は若菜を抱き締めた。

「嬉しい……嬉しいよ……。ねえ、何か話してみて?敬語もやめるんだから」

「あっ、えっと……きょ、今日もいい天気、だね?」

どこかたどたどしく若菜はタメ口で話す。距離が一気に縮まったような気がして、俺は若菜の耳にそっとキスを落とした。

「敬語になったらキスするからね?」

「えっ!?な、何でそうなるんですか!?」

「はい、今敬語に戻った!」

「あっ!ちょっと待って……んんッ!」

脅し?をした瞬間に敬語を使われ、俺は迷うことなく若菜にキスをする。きっと若菜はしばらく敬語が抜けないだろうから、こうしてキスをする瞬間がもっと増える。想像しただけで愛おしい。

ようやく唇が離れ、若菜は呼吸を整える。俺は若菜の顔を自分の胸に押し付けさせ、綺麗な黒髪の頭を優しく撫でた。サラサラと綺麗な髪が揺れる。
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