今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「必ずしあわせにする。君も、子どもも」

そう約束して、私の体をそっと抱いて、ベッドに横たわらせる。

押しつけられるような抱擁。私が潰れてしまわないように、気遣ってくれているのがわかる。

私は彼の背中に手を回し、その大きな体を受け止めた。

体を擦り合わせ――まるで愛し合う練習でもするかのように、じわじわとふたりの熱を昂らせていく。

「……せんせい、は……」

「悠生」

「悠生、さんは……本当に、これでいいの?」

何度確かめても足りないくらいだ。結婚、そして妊娠、出産。人生における重大な決断を、この一瞬に詰め込もうとしているのだから。

彼はシャツを脱ぎ捨てながら「もちろん」と捉えどころのない笑顔で答えた。

「君の夫になれるのだと思うと、わくわくするよ」

それが嘘なのか本当なのか、私にはわからない。どうして私を選んでくれたのか、その理由も定かではない。

ただ、私が彼を選んだ理由ならはっきりしている。

彼がとても魅力的だから。彼の言葉が信頼に足ると思えたから。

一枚ずつ身に纏うものを脱ぎ捨て、子どもを宿すための儀式をする。

体を深く重ね合わせると、お腹の奥底がどくんと震え、彼の意思に呼応した。

彼がこぼした愛の蜜を貪るように、ひくひくと長い間震えていた。


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