今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
フォローしながらも落ち込む気持ちを隠せない。陰口のこともあるけれど、あのお見合い相手の女性――美濃先生との関係も気になっている。

それに、悠生さんが自分のことをあまり語ろうとしないのは、私に対しても同じだ。

彼は私が欲しそうな言葉ばかり選びとって与えてくれるけれど、本心はほとんど教えてくれない。

私を好きという気持ちは本当? あの女性との関係はなんだったの?

疑問ばかりが積もり、結局なにも聞けないのだ。

うつむいて黙り込んでいると。

「ええと、割り込んじゃってごめんなさい、ちょっといいかしら」

女性の声が聞こえてきて、ハッとして悠生さんのうしろに目を向けると、美濃先生が私たちの様子を戸惑いつつも見つめていた。

悠生さんに向けての言葉かと思ったら、彼女の目は私のほうに向いている。

「あ……は、はい……」

どんな顔をすればいいのだろう、なんて答えたら。

私は彼女から結婚相手を奪ってしまった女。先ほどの看護師たちの言葉を借りるなら、姑息な浮気相手だというのに。

文句を言われる? 罵られるだろうか? きゅっと両手を握り締めて唇を引き結ぶと。
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