君に会いたくなったら
1 はじまりは突然に
カチカチカチ、カチカチ、とマウスのクリック音が誰もいないコワーキングスペースに響いている。
金曜日の夜10時、週末の夜。

この時間になればもう仕事をしている人もいなくて、静かに集中して仕事ができる時間帯、私は必死にコーディング作業中。

サイトのデザイン素材が送られてきたのが夕方の16時。そこから打ち合わせをして取りかかったのが、18時。やっと2つめのテンプレートに取りかかっている。制限時間は4日、いや1日はテストアップして確認作業が必要だから3日か。今日中になんとかPC版だけでも目処つけておかないと厳しいか。
頭の中で時間配分をしつつ作業をすすめる。

「ポン」
Slack(スラック)の通知音とチャットの通知マークがつく。チームからの連絡かと思い確認すると、デザイナーの中野紗季子からのメッセージだった。
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