碧色の恋。


けど、しまちゃんに言われたことが頭から離れない。
『あおいの色に染まってる』その言葉が忘れられない。


お昼休み、箸を落として洗いに来た時にたまたま椿先輩もそこに居た。


「ねぇあなた碧くんと同じクラス?」


「えっ?私…ですか?」


まさか自分が話しかけられるなんて思ってなかった。


「そう、あなた。」


「そうですけど…」


椿先輩はスカートのポケットから小さな紙を出した。


「これを碧くんに渡してほしいな」


差し出された手には碧色のブレスレットが付いている。
それを見てしまちゃんに言われたことを思い出す。


「…そのブレスレット素敵ですね」


「ありがとう、この色綺麗で一目惚れしちゃった」


仕方なく椿先輩の手紙を受け取り、教室に戻った。
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