碧色の恋。
「わたしは…その、碧くんの」
何かを言いかけたところで七瀬くんが先輩の口を手で塞いだ。その表情はかなり不機嫌だ。
「余計なこと言わないでくれる。」
一言そういうと、先輩は泣きそうな顔をして教室から出ていった。周りの女子達も困惑しているようだ。
「七瀬クンもしかしてカノジョ?」
「あの人社会人の彼氏持ちだけど」
その言葉に更に困惑が起きてザワザワし始めた。
七瀬くんはそれに対してイラついたのか教室から出ていってしまった。
「琴音、さっきの女の人のこと知らないの?」
「私は何も…七瀬くんのこと、何も知らないの」
小学生の頃は、七瀬くんとも仲が良くて私もこんなに暗い感じじゃなかった。もっと活発な女の子だった。