夏空、蝶々結び。




今日は休み。
でも、まだどこにも出かける気は起こらない。


(そういえば、私に全く関係ないところには行かないんだっけ)


それが本当なら彼を探すことは可能だろうに、私の腰は重い。
ゴンに逃げられるのが怖くて、彼が見つからないのが不安で……ここにずっと座っている。

すごくすごく長い時間、待ち続けていた。
ベットに横になったり、踞ったりをどれだけ繰り返したか――ゴンは帰ってきた。
すうっといなくなったのが嘘みたいに、日が暮れてから、自然に玄関から。


「ゴン……」


急に立ち上がってふらつく私に顔を顰め、目を逸らす。


「俺がいないくらいで、一日潰してどうすんの。……何の為に、俺があんたから離れたと思う? 」


離れた。
やっぱり、距離を置かれていたんだ。


「練習。そろそろ慣れておきなよ」


――俺がいない、普通の生活にさ。


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