時間切れ
そして今日は……
無理言って、寿司きよの大将に開店前の仕込みの時間に相談しにきた。
「大将、仕込みがあるのにすまない。」
「まぁ、お茶でも… 俺に相談って?」
「う…ん 一也たちがさ、俺に同居しようと言ってくれてるんだよどう思う?」
「龍一先生も 頭がいいのに本当にもう〜!
一緒に暮らしなさいよ!
俺が一也さん家族が3人で来た時の会話から、俺の勝手な想像なんだけどさ!
一也さんは、幼くしてお母さんを亡くして普通の家族を知らなかったと思うんです。
確かに典子さんの連れ子の陸くんとは血が繋がってないが、本当の家族にあの3人はなったと思う。
先生だって、一也さんと家族としての時間はなかったんじゃあないですか?
先生! 先生も家族の中で爺ちゃんとして幸せになって良いんですよ!
爺ちゃんとして、家族を支えてあげたらどうですか?」
「…… 俺も仲間に入ってもいいのかなぁ〜」
「当たり前です! 家族なんだから!」
龍一は、うっすら涙を浮かべた…
「じゃあ、ホラ、握りでも食べて、みんなに返事してやって下さいよ!」
「じゃあそうするわ! ありがとう大将。
帰りに特上3人前を持ち帰りにしてよ!」
「あいよ!」