ハージェント家の天使
壁に叩きつけられた強盗は、そのまま気を失ったようだった。
マキウスは残りの2人を睨みつけた。
「まだ、続けますか?」
「クッ……」
その時、マキウス達を見守っていた住民達が「騎士団が来たぞ!」と声を上げた。
モニカが視線を移すと、無数の足音を立てながら騎士団の制服を来た数人が走って来たのだった。
「しまった!」
その姿を見た強盗達は、慌てて走り去って行こうとした。
(良かった……)
モニカが安心したのも束の間だった。
「クソが!」
強盗の1人が怒り任せに、ナイフを投げた。
投擲された先には、モニカを連れて来た子供達がいたのだった。
「危ない!」
「モニカ!?」
モニカが子供達を庇ったのと、マキウスが叫んだのがほぼ同時だった。
マキウスかモニカに向かって走って来るが、到底、間に合いそうになかった。
(刺さる!)
モニカは衝撃を覚悟して、目をぎゅっと閉じた。
すると、ナイフが何か硬い物に当たる音が聞こえてきたのだった。
(えっ……?)
モニカが恐る恐る目を開けると、目の前に金色の布が広がっていた。
それが布ではなく、モニカ達を庇うように立っている者の長い髪だと気づいた時、相手は振り返ったのだった。
「大丈夫か?」
声からして若い男だった。
モニカは「はい……」と答えたのだった。
「それなら良かった」
男は安心すると、構えていた盾を下ろした。
男の足元に強盗が投げたナイフが落ちているところから、どうやらナイフは男の盾に当たって落下したらしい。
「モニカ! 大丈夫ですか?」
マキウスが駆け寄って来ると、モニカを抱きしめた。
「マキウス様、私は大丈夫です」
マキウスはモニカを離すと、「どうしてここに?」と訊ねた。
「マキウス様が心配だったので、子供達に連れてきてもらいました」
すると、子供達は「ちがうよ!」と、口々に言った。
「おねえさんはわるくないよ! ぼくたちがわるいんだ!」
「そうだよ! わたしたちがつれてきたの」
「マキウスがしんぱいだったんだ。なぁ!」
子供達が頷くと、マキウスも何かを言う気力が無くなったようだった。
「全く……。けれども、安心しました」
マキウスは安心したように微笑んだのだった。
駆けつけて来た騎士団は、逃げた強盗を追いかけ、残った数人が気絶したままの強盗を連行した。
マキウスは残りの2人を睨みつけた。
「まだ、続けますか?」
「クッ……」
その時、マキウス達を見守っていた住民達が「騎士団が来たぞ!」と声を上げた。
モニカが視線を移すと、無数の足音を立てながら騎士団の制服を来た数人が走って来たのだった。
「しまった!」
その姿を見た強盗達は、慌てて走り去って行こうとした。
(良かった……)
モニカが安心したのも束の間だった。
「クソが!」
強盗の1人が怒り任せに、ナイフを投げた。
投擲された先には、モニカを連れて来た子供達がいたのだった。
「危ない!」
「モニカ!?」
モニカが子供達を庇ったのと、マキウスが叫んだのがほぼ同時だった。
マキウスかモニカに向かって走って来るが、到底、間に合いそうになかった。
(刺さる!)
モニカは衝撃を覚悟して、目をぎゅっと閉じた。
すると、ナイフが何か硬い物に当たる音が聞こえてきたのだった。
(えっ……?)
モニカが恐る恐る目を開けると、目の前に金色の布が広がっていた。
それが布ではなく、モニカ達を庇うように立っている者の長い髪だと気づいた時、相手は振り返ったのだった。
「大丈夫か?」
声からして若い男だった。
モニカは「はい……」と答えたのだった。
「それなら良かった」
男は安心すると、構えていた盾を下ろした。
男の足元に強盗が投げたナイフが落ちているところから、どうやらナイフは男の盾に当たって落下したらしい。
「モニカ! 大丈夫ですか?」
マキウスが駆け寄って来ると、モニカを抱きしめた。
「マキウス様、私は大丈夫です」
マキウスはモニカを離すと、「どうしてここに?」と訊ねた。
「マキウス様が心配だったので、子供達に連れてきてもらいました」
すると、子供達は「ちがうよ!」と、口々に言った。
「おねえさんはわるくないよ! ぼくたちがわるいんだ!」
「そうだよ! わたしたちがつれてきたの」
「マキウスがしんぱいだったんだ。なぁ!」
子供達が頷くと、マキウスも何かを言う気力が無くなったようだった。
「全く……。けれども、安心しました」
マキウスは安心したように微笑んだのだった。
駆けつけて来た騎士団は、逃げた強盗を追いかけ、残った数人が気絶したままの強盗を連行した。