解けない愛鎖

「でも、よく吹っ切ったね、ヒロキのこと。なんだかんだでリナは、ヒロキと結婚するのかなーって思ってた。しょっちゅうくっついたり別れたりしてたけど、付き合いは長かったよね」

「そうだね」

前の席から軽く身を乗り出してきたユミに言われて、感情が顔に出てしまわないようにビールのグラスを口に運ぶ。

ヒロキは、あたしの元カレだ。

ここにいる三人は、学生時代から付き合っては別れてを何度も繰り返していたあたしとヒロキの恋愛事情をよく知っている。それから、あたしがヒロキとの恋愛にどれほど執着していたかも。


「リナ、なんだかんだ言って、ヒロキのことすごく好きだったでしょ?」

「んー、まぁ」

「付き合ってたとき、ヒロキとは結婚の話にならなかったの?」

「話したことはあるよ。社会人になってすぐに同棲みたいなことしてた時期もあったし」

続けざまにサエに問われて、あたしはビールと共に複雑な感情を飲み込んだ。

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