解けない愛鎖
「うん。少しどころか、だいぶ驚いて、ショック受けてたみたい」
「何を今さら」
一年前にあたしが一方的に別れを告げてから、一度も連絡をしてこなかったくせに。
唇からふっと息を漏らすあたしに、サエが苦笑いする。
「だよね。ヒロキが『リナが結婚する前にもう一回会いたい』ってシュウに言ってたみたいだから、ちょっと気になっちゃって。ヒロキから最近、連絡あった?」
「ないよ。あるわけない」
強い口調で否定すると、サエは「そっか」と複雑そうな表情でつぶやいた。
『会いたい』なんて。どうせその場のノリで口にした適当な言葉に決まってる。
ヒロキと別れるたびに、淋しくて、会いたくなって、先に連絡をしてしまうのは毎回あたしのほうだった。
だから、あたしが連絡を断てば、ヒロキとの関係なんて簡単に壊れる。
あたしがどれほど執着したって、あたしとの関係はヒロキにとってその程度のものだったのだ。