パラダイス、虹を見て。
 いきなり、「あーあ」と言われて。
 だんだん、ヒサメさんに対して腹が立ってくる。
 そして、黙っているうちに、今度は悲しくなってくる。
 頭のいい人の言っていることがわからないのだ。

「どうして、貴女は、本当は賢いのに。頭を使わないの?」
 呟いた言葉が。
 刃物のように尖って胸に突き刺さる。

「わからない…です」
「いや、わかるでしょ。今の会話で」
「……まさか」
 組んでいた足を元に戻して。
 ヒサメさんは両手を合わせた。


「ヒョウとヒサメはカップル」


 キィィィィンと。
 頭痛なのか、耳鳴りなのか、両方なのか。
 わからないくらいの痛みが襲いかかる。
「ヒョウは、優しいから。彼の口からは絶対に言わないんだろうなって感じた」
「実在…するんですか? 男同士の恋愛って」
 世界には同性同士のカップルがいる…というのは聞いたことはあるけど。
 実際に目の前にいるだなんて…。

 これ以上にない驚きで、固まっていると。
 また、ヒサメさんは「あーあ」と呟いた。
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