いつか再会する時まで
生徒会室を出て、校舎の裏側に行く。
ここなら、誰もいないし聞かれないだろう。
「それで?どうしたの?こんな時間に」
葵『聞いてよ玲音!彼氏が女といるの!
なんか、偶然仲良さそうに買い物してるの見ちゃって!!』
……そんなことでこんな朝から電話してきたの?まだお昼前なんだけど。
はぁ、とため息をついた音は電話越しにも聞こえていたようで……
葵『ため息ついたら幸せ逃げるよ!そんなことより、今すぐ来て!男の子の格好で!』
「……何する気?」
葵『決まってるでしょ!?同じことやり返してやるの!』
こうなった葵さんはもう誰にも止められない。諦めて、葵さんの言う通りにしようと思う。
「じゃあ、行くから。今どこにいるの?」
葵『ほんと!?今は駅前のカフェに』
「分かった。動かないでよ。」
電話を切って、生徒会室に戻り一言告げる。
「ごめん、用事できたから帰る。」