いつか再会する時まで


玲音side



「おはようございます」

私が開けた扉はピアノBAR“ crescent ”。
私はそこでピアニスト“ Reo ”として働いている。
そこでも男の格好をしている。何故かと言うと……


「玲音は男装が似合うから男装して。

……それに玲音は自分の容姿をあまり気にしてないけど、綺麗だからセクハラ行為を受ける可能性があるし……」


そう言われたからだ。
ただ、後半の方は一人でブツブツ呟いていたので聞き取れなかった。




まぁ、男装をすることで男に近づかれる可能性が減るなら本望かな。
ピアニストはホールスタッフと同じ格好だが、ネックレスやイヤリングを付けていい決まりになっている。
ホールスタッフが付けると、もし外れた時に大変だからだ。





「玲音、今日は何を弾くんだ?」

「今日はリクエストを数曲とショパン」


このBARはお客さんのリクエストを受け付けている。誰に弾いて欲しいか、なども注文出来る。

私は出来るだけリクエストしてくれた人が来てくれる日にリクエストされた曲を弾くことを心がけている。
だから、その日何を弾くかは私の気分と、お客さん次第。





だいたいピアニストは一日に3人前後。
私がシフトに入ってる日はピアニストの人数が多い。


BARが開店するのは18:00で閉店が5:00。私は18:00から22:00の4時間の間の3時間をピアノを弾く。
残り1時間はまかない(夕食)を食べる。
ここのまかないは凄く美味しいんだよね。








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