いつか再会する時まで
葵「えっと……今更だけど、その子は結局涼介のなんなの?」
恋人に甘えるように、体を預けて尋ねる。
……甘々な空気はいらないんですけど。
涼介「こいつは俺のいとこ。」
葵「え…!?そうだったの。ごめん、勘違いして」
涼介「大丈夫」
そう言って涼介さんは熱を帯びた目で葵さんを見つめ、2人の顔は自然と近づいていく。
見ていられなくて2人から目をそらす。
ガラッと空いた厨房の扉の音につられ、2人の顔は離れていく。
……たまたまだろうけど、マスターナイス!
コホンと、涼介さんのいとこが咳払いをする。
葵「…あ!厨房の子!」
葵さんはそこで気づいたように、涼介さんのいとこの顔を見る。
「……あ、本当だ。雪さんだ」
雪「今更ですか?お二人共。それに玲音さんに至っては男装までして」
涼介「は!?男装!?というか、雪ここで働いてんの?」
あれ……男装してること雪さんまで知ってるの?
雪「知りませんか?玲音さんの賄い作ってるのあたしなんですけど。」
「そうだったんだ!?いつもありがとう!」