カラフル☆デイズ

それに、さっき私が深月先輩を見つけた時もそう。


本当は、『深月先輩っ!』って名前を呼んで、側に駆け寄ろうとしたけれど、駆け寄れなかったのはセイ兄が現れたから、だけじゃない。


窓の外を眺める先輩の目が、外の景色じゃなくて、どこか遠くを眺めている様に見えて、大袈裟だけど、世界からそこだけが切り離されている様に見えた。


その黄昏(たそが)れに染まった横顔から覗く憂いを帯びた眼差しが、どうしようもなく寂しげに揺れて、辛そうにも見えたから。


だから私は思わず、声を掛けるのを躊躇ってしまった。


だけど、きっとそれは単に、先輩の顔を照らす夕日のオレンジ色が余りに色濃くて、そう錯覚させたのだと。


ただの気の所為だったのだと思いたくて、胸の中に生まれた小さなモヤモヤを、私は無理やりに押し込めた――。




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