カラフル☆デイズ

タイミング良くホームへ入ってきた電車へと深月先輩が乗り込み、去って行く電車を見送っていると、突然ポンッと肩を叩かれた。


「まひる、今の男、誰?」


いつもより少し……ううん、かなり低めの声。


まるで、今の雨空みたいにどんよりと重く、不機嫌な空気。


背後からハッキリと伝わってくるそれは、あさ兄が発しているものだって、振り返らなくても判る。


「と、友達だけど?」


動揺する気持ちを隠し、表情を何とか(つくろ)うと、思い切って背後を振り返った。


「それにしても奇遇だねっ。あさ兄と遭遇するなんて!」


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