カラフル☆デイズ
「花火、楽しみですねっ」
歩き出した先輩に、躊躇なく私から手を繋いだ。
深月先輩と繋いだ手。
何気ない会話。
出店で買ったイチゴのかき氷やたこ焼きを半分こする。
至る所から伝わってくる、お祭りの喧騒と楽しげな雰囲気、夏のちょっと蒸し暑くて生温い空気。
夜になりきれていない様な薄暗い夜空。
いつもより早くトクトクと脈打つ鼓動。
――そのどれもが、深月先輩と一緒に居るだけで、特別なことの様に感じられる。
五感全部を使って、今日のことを全部、全部、記憶に刻んでおきたいって思える。
深月先輩が好きで、すごく、幸せ。