カラフル☆デイズ

ふと、隣にいる深月先輩を見上げると、その横顔が一瞬、鮮やかな色で縁取られた。


少し遅れて、ドーン……と空気を振動させる盛大な音が響き渡り、鼓膜を震わせた。


「あっ、花火!」


視線を先輩から、少し上の方へと移動させる。


濃紺色した夜空には、赤や黄、緑の色をした大輪の花が大きく開花しては、すぐに散っていく。


次々と打ち上げられる花火に、周囲の人々も歩みを止めて「わぁ……」と感嘆の声を洩らした。


「きっれー……。深月先輩、すっごく綺麗ですね、花火」


「……だな」


繋いでいる手から、深月先輩がキュッと指先に力を込めたのが伝わってきた。




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