カラフル☆デイズ

ソファに座って、ただただ壁掛け時計の針の音だけが響く空間に一人でいると、自然と涙が零れた。


本当なら、「あさ兄、セイ兄、私にも好きな人が出来たんだよ」って笑顔で深月先輩のことを報告をして


「良かったな」「まひるのくせに生意気」って笑いながら、一緒に喜んで欲しかったのに……。それだけだったのに。


「……セイ兄のばか……っ」


ソファの上に体育座りをして、膝の上に顔を押し付ける。


すると、涙が浴衣に染みて、じんわりと涙の温かさと湿っぽさが伝わってきた。


今日は楽しかったのに。楽しいだけの1日で終わるはずだったのに。




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