ほろ苦シナモンと甘い夢


「今日はありがとうな、凪ちゃん。また頼むよ」


「うん!任せて、孝じい!!」



喫茶 シノミヤは夜7時にクローズする。

喫茶店にしては閉店時間 早いのかもしれないけど、シノミヤはさほど有名店じゃないしお客さんも浅瀬くんの後に6組訪れただけだ。

まぁ、目立つ場所に建ってる訳じゃないし知る人ぞ知る名店みたいな感じだ。


…そういえば浅瀬くんは閉店時間直前までいたな。



「颯、凪ちゃんを送って行きなさい」


「えーっ。こんな女、誰も襲ったりしないと思うけど」


「こんな女って何よ」



颯のほっぺをつねると、「いって!!!」と声を上げた。



「…時給50円アップ」


「よし、凪 送ってくぜ!」



颯は、あからさまな上機嫌で出口へと向かった。



「………なんかムカつく」





シノミヤを出ると、目の前に


「浅瀬くん!!」


浅瀬くんが立っていた。



「どうした、浅瀬。忘れ物か?」


「うん。朝倉さんに渡し忘れてたものがあって」


「私?」
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