昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「ぶっきら棒な奴ですまない。右京は数字には強いが、人付き合いが苦手な奴でね。夕飯なにも食べてないだろう? 早く食べよう」
 鷹政さんの言葉でお腹がグゥと鳴る。
 今の絶対に彼に聞かれてた。ああ、穴があったら入りたい。
 恐る恐る鷹政さんを見れば、「いいタイミング」とニヤリ。
 ショックだわ。こんな素敵な男性にお腹の音を聞かれたなんて。
 落ち込む私に幸太くんが箸とお椀を手渡してくれた。
「はい、これ凛の。ちゃんと取らないと食べられないよ」
「ありがと」
 流しそうめんは初体験。
 流す場所から近い場所に鷹政さんと陣取り、向かい合わせになる。
 流し役はいつの間にか浴衣に着替えた弥生さん。
「みんな準備はいい? 流すわよ」
 彼女が次々とそうめんを流していくが、男性陣がキャッチして私は取れない。
 今度こそ取る!
 そう気合いを入れて箸でそうめんを掬おうとするも、すり抜けて幸太くんに取られてしまった。
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