昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
集中して仕事をしていたら、あっという間にお昼になった。
 みんな会社近くの食堂や洋食屋などにお昼を食べに行く。
 だが、私はいつもお弁当。
 バッグからお弁当箱を取り出すと、春子さんがバッグを持ちながらチラリと私の方を見た。
「毎日作ってるんでしょう? 偉いわね」
「おかずは朝食の余り物だからそんな手が込んだもの作ってないの」
 おにぎりを握ってあとはおかずを詰めただけ。
 お弁当の蓋を開けながら答えると、彼女はフッと微笑した。
「それでも朝は時間がないのに感心するわ。私は外に食べに行ってくるわね」
 彼女の後ろ姿を見送っていたら、髪をオールバックにしたハンサムな男性社員に声をかけられた。
「やあ、凛ちゃん、お昼に誘おうと思ったのにな」
 彼は佐々木さんといって、一カ月ほど前にうちにやってきた。アメリカの大学に留学していたとかで英語はペラペラ。海外の映画に出てくるヒーローのように目鼻立ちのはっきりしたハンサムで、背も森田さんくらいあって高い。仕事もできるからうちの女子社員にも人気だ。

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