昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
 その日の夜、鷹政さんたちが私の弟を連れて戻ってきた。
玄関先で鷹政さんが弥生さんと話している間、「凛姉さん、ちょっと」と直史に呼ばれ、話を聞く。
 鷹政さんは私の家に来て父に『凛は青山家で預かります。保科家の借金は私が肩代わりしますが、その代わり凛には二度と近づかないでください』と言ったらしい。
 口調は丁寧だったが、その目は見た者を凍らせそうなほど怖かったそうで、父は鷹政さんを見て固まっていたとか。
 父の話を聞くと胸が苦しくなるけれど、私はひとりじゃない。そのうち乗り越えられると思う。
 弟がここに来たのはその報告と私がつけていた家計簿を持ってきてもらうためだった。今のままでは私の家族は路頭に迷うことになる。そこで鷹政さんが『保科家を俺が支援するから凛は心配するな』と言ってくれたのだ。
「直史くん、居間で話そう」
 鷹政さんが弟に声をかけて居間に移動し、鷹政さんと右京さん、弟にこの家計簿を見せながらうちの財政状況を説明した。
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