昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
ちょっと動揺しながら否定すると、琴さんは楽しそうに目を光らせる。
「今夜はお赤飯にしましょうか? 直史さまのお話では、昨日背の高い男性がお嬢さまを送ってきてくださったとか。大事件ですよ」
「普段男っ気がなくて悪かったわね。でも、本当に違うから大騒ぎしないで。私はもう行くわ」
お弁当を包んでいつもより早く家を出る。もちろん今履いている下駄は、昨日森田さんが買ってくれたもの。
お弁当喜んでくれるといいな。
いつも無表情の彼が『美味しい』って笑うところが見たい。
会社に着くと、佐々木さんが部長の席にいるから驚いた。なにか封筒に入った書類を見ている。
「佐々木さん、おはようございます。早いですね。部長の席でなにを?」
不思議に思って尋ねると、彼は一瞬ハッとした表情になったけど、すぐに真夏の太陽のように眩しく微笑んだ。
「いやあ、おはよう、凛ちゃん。ちょっと窓を開けたら、部長の席の書類が散らばっちゃって」
なんだ。そういうわけか。
「今日も暑いですもんね。扇風機つけていいんですよ」
近くの扇風機を指差すと、彼は乱れた前髪をかき上げながら言った。
「今夜はお赤飯にしましょうか? 直史さまのお話では、昨日背の高い男性がお嬢さまを送ってきてくださったとか。大事件ですよ」
「普段男っ気がなくて悪かったわね。でも、本当に違うから大騒ぎしないで。私はもう行くわ」
お弁当を包んでいつもより早く家を出る。もちろん今履いている下駄は、昨日森田さんが買ってくれたもの。
お弁当喜んでくれるといいな。
いつも無表情の彼が『美味しい』って笑うところが見たい。
会社に着くと、佐々木さんが部長の席にいるから驚いた。なにか封筒に入った書類を見ている。
「佐々木さん、おはようございます。早いですね。部長の席でなにを?」
不思議に思って尋ねると、彼は一瞬ハッとした表情になったけど、すぐに真夏の太陽のように眩しく微笑んだ。
「いやあ、おはよう、凛ちゃん。ちょっと窓を開けたら、部長の席の書類が散らばっちゃって」
なんだ。そういうわけか。
「今日も暑いですもんね。扇風機つけていいんですよ」
近くの扇風機を指差すと、彼は乱れた前髪をかき上げながら言った。