昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
大学生の直史は頭もよく、学校の成績はいつも首席だ。
「姉さん、おはよう」
にこやかに微笑む直史に、挨拶を返す。
「おはよう。今日もおかずが少なくてごめんなさいね」
テーブルに並んでいるのは、めざしの塩焼き、ほうれん草のお浸し、玉子焼き、キャベツの味噌汁(みそしる)にトマトのサラダと野菜中心の質素なメニュー。
二年前に起こった昭和の金融恐慌で、私たちの暮らしは大きく変わった。
父は銀行に多額の金を融資していたのだけれど、融資先の銀行が倒産して保科家の家計は逼迫。さらに悪いことに父は肺を悪くして軍を退役。五人いた使用人は今はもう琴さんだけになってしまった。私は家にいる時は琴さんを手伝い、日中は外に働きに出ている。
でも、私のお給料だけでは家族を養うことも、この屋敷を維持することもできず、家財を売りながら細々と暮らしていた。
今いる家の食堂も床板がところどころ傷んでいて修理が必要なのだけれど、業者に頼む金銭的な余裕もない。
「姉さん、おはよう」
にこやかに微笑む直史に、挨拶を返す。
「おはよう。今日もおかずが少なくてごめんなさいね」
テーブルに並んでいるのは、めざしの塩焼き、ほうれん草のお浸し、玉子焼き、キャベツの味噌汁(みそしる)にトマトのサラダと野菜中心の質素なメニュー。
二年前に起こった昭和の金融恐慌で、私たちの暮らしは大きく変わった。
父は銀行に多額の金を融資していたのだけれど、融資先の銀行が倒産して保科家の家計は逼迫。さらに悪いことに父は肺を悪くして軍を退役。五人いた使用人は今はもう琴さんだけになってしまった。私は家にいる時は琴さんを手伝い、日中は外に働きに出ている。
でも、私のお給料だけでは家族を養うことも、この屋敷を維持することもできず、家財を売りながら細々と暮らしていた。
今いる家の食堂も床板がところどころ傷んでいて修理が必要なのだけれど、業者に頼む金銭的な余裕もない。