昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
 ドアの方を振り返ったら、意外な人物がいて持っていたペンを床に落とした。
「う……そ。鷹政さん?」
 え? どうしてうちにいるの?
 今日はホテルでパーティじゃあ?
 しかも主役でしょう?
目を丸くする私を見て、黒の背広に紺色のアスコットタイをしている彼は小さく微笑った。
「会社の仕事が終わってもまた仕事か? 働きすぎだ。過労で倒れるぞ」
 彼がいると自分の部屋が異空間に感じる。
 私……幻でも見てる?
「あのパーティは?」
 椅子から立ち上がって鷹政さんと向き合ったら、彼はこちらに近づいてきた。
「最初の挨拶だけして抜けてきた。じいさんから凛が来ると聞いていたが、会場にはお前の姿がなかったから、なにをしてるのかと思って心配で見にきたんだ」
 床に落ちたペンを拾い上げて私に手渡す彼をまじまじと見つめる。
 本当に鷹政さんだ。
 私のこと忘れてなかった。
 嬉しさが込み上げてきたが、彼のことが気になって確認した。
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