不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

「男として意識してくれてたりする?」

「…斗真さんからの告白は嬉しけど、前の恋愛がトラウマで、まだ、恋愛する事が怖い。また、裏切られたらって思うと踏み込めない。ごめんなさい」

「その、ごめんなさいは、どういう意味?付き合えないって事?」

「うん」

「トラウトなんてなくなるまで、優香ちゃんに気持ち伝えるから、もう一度、考えて」

「どうして…私なの?」

「最初は、前の彼氏を引っ叩いた気の強さ。そして大泣きする姿に惹かれた。泣いてるのに「泣いていませんから」って去っていく姿に、胸を貸して泣かせてあげたいと思った。
その後、会社で無理して気を張っている姿が愛おしかった。抱きしめてあげたいと思ってた。もう、そこら辺から、好きだなって自覚して、それなりにアピールしてきたんだけど、気づいてるよね」

頬を染めて頷く彼女の頬に、手を添える。

「キスしたい。ダメ?」

首を左右に振る姿は、可愛らしい。

「優香ちゃん、好きだよ」

そう呟いてから、そっと唇に触れ、しっとりと熱を残して離れた。

拍子抜けの彼女。

こんな、軽いキスで終わりなのかと戸惑っている。

可愛いな、もう。

「ほら、続き見よう」
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