不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

パン好きの優香ちゃんの為に、大きなクロワッサンを大量に購入。

重い荷物になったにもかかわらず、足取りは軽く、マンションへ帰ってきた。

ドアを開けると、「おかえり」と、優香ちゃんが、俺のTシャツをダボっと着て立っていた。

寝る前に、パジャマ代わりに貸したTシャツが
やばい…膝上の丈の長さがサイコーにいいんだが、どうしよう。

このまま、襲ってもいいだろうか?

理性を総動員して「ただいま。パン買ってきたよ」と、優香ちゃんにみせる。

「うわっ、ひろせベーカリーのクロワッサン、大好き」

「そうだと思ってた」

「ありがとう」

優香ちゃんにクロワッサンの入った紙袋を渡して、冷蔵庫に買い物してきた食料を入れていく。

背後に立つ優香ちゃんは、袋の中にある物をめざとく見つけた。

そして、頬を染めて早口になって話始める。

「斗真くん、私の服がないんだけど、どこかな?帰れないんだけど」

彼女の腰を抱いて、見つめる。

「帰さない為に、洗濯した。干さないと乾かないね」

チュッと、唇にキス。

頬を赤らめて、上目使いに睨んでくる。

「この、確信犯。早く干してきて」

「えー、やだよ。乾いたら帰っちゃうだろ」

「そうだけど…せめて、下着だけでもないとスースーするの」
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