不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

本来の俺は、言葉づかいは悪いし、態度だって紳士じゃないのにだ。

そんなことを繰り返して、女の好きは信用ならないと学んだ俺が、女と付き合うのをやめたのは、まぁ、本気で恋なんてしたことがないからで、気安い関係が楽だとわかったからだ。

社会人になっても女が俺に望むイメージは決まっていて、イメージ通り演じ、深入りさせないよう一線を引いていれば、人付き合いが楽だった。

まあ、人より性欲はあるので、同僚とは関係を持たないと入社時に自己のルールを作り、今の今まで適度に遊んで発散していたのだが、一度、ルールを破ってしまったら、ニ度、三度と彼女を欲した。

関係を持った女と、連続して過ごすのも初めてだし、離れがたいと思ったのも初めて。3日も続けて過ごしても、帰ろうとする彼女を引き留めようとする始末だ。

少しの距離でも離れがたく、シャツを返してもらう理由で部屋までついていってしまう。

俺の方は、明日まで会えないのかと、寂しさを感じているのに、香恋の淡々とした態度が胸をざわつかせ、思わず唇にキスをし軽く口内を刺激する。

数日で、俺好みになった香恋は、すぐに蕩けた顔になる。

ほんと、キス好きだよな…
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