不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
初めて彼女に連絡した日、予想外の速さで店に入ってきた香恋を見つけ、心が浮き立ち、心臓が速く高鳴る。

急いできただろうに、そんなそぶりを隠して隣に座るのだ。

そんなに俺に会いたかったのか?

声をかけてきた女達に言ってやりたい。

最高かよ…こんな可愛い女、他にいてたまるか。と…

その後、マスターが俺を揶揄う目的で、孫息子の嫁にと香恋を口説きだして、ムカついて、香恋の一途って言葉にホッとして、いろいろと暴露話がマスターによって露見したりと俺としてはヒヤヒヤだったが、香恋は、とても楽しそうにしていたので、まぁ、いいかと思う。

だが、どんなに甘やかしても、体を何度も重ねても、どこか香恋はよそよそしい。

そうさせているのは、俺のせいなのだが、…だからといって、俺を踏みとどまらせる何かがあり、踏み出す為の何かが足りない以上、
彼女がほしい言葉を言ってあげれない。

そめてこの可愛い唇から、俺に向けて好きと言う言葉が聞けたなら、香恋だけを愛し、大事にするのに…

抱きしめる腕の中の香恋に向けて、願うのだった。

もっと、もっと、俺を好きになってくれ…、ほしいだろう言葉を今は言ってあげれないが、甘やかすから…

恋愛のできない俺に、恋する気持ちを教えてほしい。
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