不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
恋人未満の甘やかな関係
週末、優香と約束があると言って一緒に過ごすことを断った私は、優香に連絡をとった。優香についてきた斗真さんとカフェで、相談にのってもらっている。

「簡単なことじゃないよ」

「それだけ、恋人同士みたいにいちゃついてて、何、ビビってるの。好きって言えばいいだけでしょ」

「女の好きは信用できないっていう人だよ。それに、本気になれないって…まして、同僚に手を出すつもりはなかったって言われたのに。私から…おそ…誘ってから関係を続けているけど、そんな人に好きって言った後、どうなるの?」

「…襲ったんだ」

「だね…」

「そ、そうなんだけど…、そこは、聞こえなかったふりしてよ。真剣に悩んでるんだからね」

「…はぁ…ろくでもない、そんな男の心を動かすなんて香恋にできるの?。恋愛の駆け引きなんてできない香恋には、無理な相手だよ。次の男探すのに1票」

「確かに、聖也さんが遊び人になった原因は、顔だけに近寄ってくる女にウンザリしたからなんだろうけど、でも、実際はさ、自分が本気になれないんじゃなくて、本気になるのが怖いだけだと思うよ。香恋ちゃんが、今までの女達と違うのはわかっていても、もし、同じだったらって恐れてるだけ。だからさ、香恋ちゃんが、聖也さんを好きでいたら、あの人の心も動かないかな⁈」
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