不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
「言いましたけど、それは、…いずれ彼氏と座りたいっていう願望で、お願いしてません」
「…あんなことやこんなことまでしてて、そこいらのカップルと変わらないぞ」
そうなんですけどね…
「もう席、買ったし、ほら、座る」
隣の席が見えない高さで仕切られた、深い背をした座席に腰を下ろして待ってる人。
「折角だし、プラチナシートを堪能させて頂きます」
暗くなりだし、慌てて腰を下ろそうとしたら、腰を掴まれて、シートではなく、主任の膝の上に横抱きでいました。
映画見にきたんですよね?…
そして、あれれという間に、横抱きのまま倒されて、シート席のクッション素材の山に頭をのせて横になってました。
横になって見れるぐらいの横幅ですもんね。
「リラックスして、プラチナシートを堪能してろ」
耳元で囁いた主任は、映画館なのに、映画も見ずに背後から抱きしめてきます。
カーアクション映画だから、音が異常に響き渡り、何してても気づかれないのをいいことに、髪を避けてうなじに唇をのせて、なぞっていたり、耳を喰んだり、イタズラばかり。
時折、頭部にチュッとキスをして、頬にまでキスしてくるのに、ほしい唇にはくれなくて、映画の内容なんて、ほとんど頭に入ってこないまま、館内は、明るくなっていった。