令和最愛授かり婚【元号旦那様シリーズ令和編】
この人でも、人の顔色なんか見てるんだ……。
いろんな意味で絶対ないと思っていたから、ちょっと拍子抜けした。


彼は私の反応を気にすることなく、ネクタイを緩めた。
テーブルに近付いてきた店員に、カフェオレをオーダーしている。
私は、そんな彼を上目遣いに窺った。


相変わらず雰囲気があって、神々しいオーラが漂う人だ。
やや色素の薄い栗色寄りの髪は、私と違って癖もなくまっすぐで、さらりとしている。
前髪はちょっと長めで額に下ろしてあり、切れ長で端麗な目元をギリギリで掠めている。
後ろ髪は長すぎず短すぎず、すっきりしていて、ビジネスマンとして好感度抜群のスタイルだ。


髪と同様、瞳の色も薄め。
なのに、強烈な光を湛え、圧倒的な目力で私を射貫いてくる。


「……で?」


テーブルから離れていく店員を横目に、椅子の背にふんぞり返って、長い足を窮屈そうに組み上げた。
男らしい薄い唇を少し動かすだけで、私に用件を促してくる。


「あ」


久しぶりだったせいで、この人のオーラに当てられ、ついつい見入ってしまった。
私は我に返って、背筋を伸ばす。


「お忙しいのに、お呼びたてして、申し訳ありません」
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