令和最愛授かり婚【元号旦那様シリーズ令和編】
神がかり的に綺麗な顔立ちだから、怒っても不機嫌になっても、迫力がある。


「俺の遺伝子を継ぐ子供を殺すつもりか、と言っている」

「ちょっ……!」


あまりに物騒な言い方にギョッとして、私はとっさに辺りに目を走らせた。
ちょうど、先ほどの店員が、トレーを持ってこちらに歩いてくるところだったけど、声が聞こえた様子の人は見当たらない。


ホッと胸を撫で下ろし、カフェオレがサーブされる間、無言でギロッと彼を睨む。
店員が離れていくのを、しっかりと見届けて……。


「口を慎んでいただけませんか」


小声で咎めた。
黒須類は、我関せずといった顔で、湯気の立つカップを、なんとも優雅に口元に運ぶ。


「失礼なことを言う君が悪い」

「じゃあ、現実問題、どうしろって言うんですか」


私は頬を膨らませて、そっぽを向く。
黒須類は、カップをテーブルに置くと、悠然と足を組み換えた。


なんだろう……この、どこを取ってもちぐはぐな感覚。
どう考えたって、中絶という結論しかないはず。
すんなり話はつくと思っていたから、予想だにしない展開に、焦りが湧いてくる。
私は一度深呼吸して、自分を落ち着かせてから目を伏せた。
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