令和最愛授かり婚【元号旦那様シリーズ令和編】
入社以来十年、刺激し合いながら共に成長を続けてきた同期が、目出度く婚約した。
男性も含めた八人の同期の中で、私以外では最後の独身だった。
取り残された……という焦りとは違う。
でも、自分の将来設計を見直すきっかけになった。
フィーリングの合う男性との出会いを求め、恋から始める労力は、今の私にはないけど、穏やかで楽しく、安定した老後の生活を願うなら、ひとりよりふたりがいい。
やっぱり、縁があれば結婚はしておきたいかも――。
私も三十代。
二十代の頃に比べて守りに入るようになったのか、そんな風に考えるようになった矢先だ。
「お金だけ与えて、私に一生シングルマザーとして生きろって言うの……!?」
今まで築き上げてきたものも、これからを願って描いたビジョンも、ガラガラと崩れていく。
私は、頭を抱えた。
向かい側からは、冷たい溜め息が返ってくる。
それどころか、
「もしもし? 鴨頭か。ああ、俺だ」
「え?」
黒須類は、私から軽く身体の正面を外して、スマホを耳に当てている。
この状況で私を放置して、電話し始めた彼にギョッとして、勢いよく顔を上げた。
「なっ……」
さすがに憤慨して、腰を浮かせる。
けれど。
男性も含めた八人の同期の中で、私以外では最後の独身だった。
取り残された……という焦りとは違う。
でも、自分の将来設計を見直すきっかけになった。
フィーリングの合う男性との出会いを求め、恋から始める労力は、今の私にはないけど、穏やかで楽しく、安定した老後の生活を願うなら、ひとりよりふたりがいい。
やっぱり、縁があれば結婚はしておきたいかも――。
私も三十代。
二十代の頃に比べて守りに入るようになったのか、そんな風に考えるようになった矢先だ。
「お金だけ与えて、私に一生シングルマザーとして生きろって言うの……!?」
今まで築き上げてきたものも、これからを願って描いたビジョンも、ガラガラと崩れていく。
私は、頭を抱えた。
向かい側からは、冷たい溜め息が返ってくる。
それどころか、
「もしもし? 鴨頭か。ああ、俺だ」
「え?」
黒須類は、私から軽く身体の正面を外して、スマホを耳に当てている。
この状況で私を放置して、電話し始めた彼にギョッとして、勢いよく顔を上げた。
「なっ……」
さすがに憤慨して、腰を浮かせる。
けれど。