令和最愛授かり婚【元号旦那様シリーズ令和編】
固く目蓋を閉じ、意識して大きく息を吸って……。


「……わかりました」


必死に冷静を保ち、目を開けた。
軽くお尻を浮かせて、彼の方に身体を向けて座り直す。


「あなたと結婚して、赤ちゃんを産みます」


黒須類はわずかに眉尻を上げた後、ホッとしたような表情を浮かべた。


「そうか、賢明だ。よかっ……」


そう言う途中で、私は彼の左頬を思いっきり引っ叩いた。


「っつう……」


黒須類が、勢いで顔を背ける。
私は、震える右手を左手でギュッと掴み、なんとか興奮を鎮め――。


「これは、ただの契約です。あなたの遺伝子を継ぐ子を産む……という」

「契約?」


左頬を赤くした彼が、怪訝そうに瞳を揺らして、聞き返してくる。
私は胸を反らし、自分を奮い立たせるように、一度大きく頷いた。


「私が無事出産を終えたら、契約満了とします」


黒須類は、唇を結んで、眉根を寄せた。


「なるほど。もともと、俺と君は仕事で出会った。俺とのデートもセックスも、君にとっては、仕事のため。出産もその延長……ビジネスと割り切るってことか」


私の思考回路を呆気なく見透かして、思案するように顎を撫でる。
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