義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
王子様とバーベキュー
「ねぇ小鳥遊くん! 小鳥遊くんはおうちでお料理するの?」
「手つきが慣れてるよねー。バーベキューもよくおうちとかでやってたり?」
 三年生が集まっている一角。思った通り、渉は女子生徒に囲まれていた。
「ああ、割合よくやるんだ」
「バーベキューはさすがにやらないかな。でもバスケ部で夏休みとかにしたことはあるよ」
 渉は肉や野菜を率先して焼きながら、その女子たちにひとつずつ、にこやかに返事をしていた。
「肉食べたいひと?」
 焼けた肉をトングで摘まんで、自分で食べるより先に、ひとに尋ねている。そういう優しいひとなのだ。
「私、もらっていい?」
「あっ私も!」
「あ、でも……小鳥遊くんのぶんがなくなっちゃわない?」
 渉が勧めていてくれるのだ、女子たちはきゃいきゃいと沸き立ったけれど、一人の子がちょっと気遣うようなことを言った。
「大丈夫。肉なんてすぐに焼けるし、まだそこにたくさんあるだろ?」
 でも渉はにっこり笑って、その肉を摘まんで網の上に追加した。女子たちはそこにも感嘆したようだった。
「わぁ……入れる雰囲気じゃないねぇ」
 近くの鉄板のそばでお肉や野菜を摘まみながら、楓が言った。バレー部の楓はよく食べる。体を使うからだろう。
 そして焼くほうは得意のようで、絶妙な焼き加減でお肉や野菜を仕上げて、梓や秋奈たちなど友達の紙皿にもひょいひょいと放り込んでくれた。
 梓はその焼いてもらったお肉を食べながら、「そうだねぇ」とそちらに視線をやる。
 もはや渉の近くには男子生徒もいない。友達と食べている場合ではないからだろう。でも渉はこういうものには慣れっこのようで、女子に囲まれている状況でも臆することなく、肉を焼いたり食べたりしている。堂々としていた。
「入りたいけど、三年生のひとたちに怒られちゃいそう……」
 雲雀はにんじんを食べながらちょっと寂しそう。そりゃあ、これだけ近くにいて、自由な場所で食べることを許されているのだから、入れないのは寂しいだろう。
 雲雀だけではなく、近くではほかの女子もそわそわしていたけれど、やっぱり三年生の女子のほうが立場が強いに決まっている。なかなか渉に近付けないような様子だった。
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