義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
「あ、次は秋奈(あきな)ちゃんだよー。あっこれ六月からのアニメだっけ。えーと……」
梓の隣に座っているつぐみが、モニターに映し出されたタイトルを見て、ちょっと考えた。その隣にいた小雀 秋奈(こすず あきな)が、楓からマイクをもらって誇らしげに言う。
「うん、アニメ化したやつ! Lili(リリ)の『シトロン・シトラス』だよ! まだ三回しかやってないやつだけど、歌めっちゃ好みで覚えちゃった!」
秋奈はアニメなどが好きなので語り出してしまったが、そのうちイントロがはじまった。秋奈は慌ててモニターに向き合って、カラオケでは初めて歌うであろうそれにちょっと戸惑いながらだろうが歌い出す。
雑誌、Lili連載の『シトロン・シトラス』は梓も今のところ毎週見ているアニメであったし、聴きたい気持ちはあった。
けれどちょうどコップの中がカラになってしまったのだった。折しも、次は梓の番。喉を少し湿らせたかった。
だから残念だったけれど「ごめん、ちょっとジュースもらってくる」と席を立った。
ドリンクバーをつけていたのだ。ロビーにあるサーバーでなんでも好きなものが飲める。
みんながちらっと見て小さくうなずいてくれて、梓は部屋を出た。カラのコップを持って、ロビーへ歩いていく。
ロビーは長い廊下を歩いて、角を曲がって、少し歩いたところだ。今日は奥のほうの部屋だったので。
なにを飲もうかな。
さっきはカルピスだったので、今度は甘くないものにしようかな、と思った。
ウーロン茶とか紅茶とかにしようか。
思いながら、ドリンクバーのコーナーにたどり着いたときだった。
「あれ、梓じゃないか」
向こうから男の子がきた。それはなんと渉である。梓と同じようにカラのコップを持っていた。
梓は一瞬、なにが起きたかわからなかった。まさかこんなところで会おうとは。
梓の隣に座っているつぐみが、モニターに映し出されたタイトルを見て、ちょっと考えた。その隣にいた小雀 秋奈(こすず あきな)が、楓からマイクをもらって誇らしげに言う。
「うん、アニメ化したやつ! Lili(リリ)の『シトロン・シトラス』だよ! まだ三回しかやってないやつだけど、歌めっちゃ好みで覚えちゃった!」
秋奈はアニメなどが好きなので語り出してしまったが、そのうちイントロがはじまった。秋奈は慌ててモニターに向き合って、カラオケでは初めて歌うであろうそれにちょっと戸惑いながらだろうが歌い出す。
雑誌、Lili連載の『シトロン・シトラス』は梓も今のところ毎週見ているアニメであったし、聴きたい気持ちはあった。
けれどちょうどコップの中がカラになってしまったのだった。折しも、次は梓の番。喉を少し湿らせたかった。
だから残念だったけれど「ごめん、ちょっとジュースもらってくる」と席を立った。
ドリンクバーをつけていたのだ。ロビーにあるサーバーでなんでも好きなものが飲める。
みんながちらっと見て小さくうなずいてくれて、梓は部屋を出た。カラのコップを持って、ロビーへ歩いていく。
ロビーは長い廊下を歩いて、角を曲がって、少し歩いたところだ。今日は奥のほうの部屋だったので。
なにを飲もうかな。
さっきはカルピスだったので、今度は甘くないものにしようかな、と思った。
ウーロン茶とか紅茶とかにしようか。
思いながら、ドリンクバーのコーナーにたどり着いたときだった。
「あれ、梓じゃないか」
向こうから男の子がきた。それはなんと渉である。梓と同じようにカラのコップを持っていた。
梓は一瞬、なにが起きたかわからなかった。まさかこんなところで会おうとは。