ephemeral house -エフェメラルハウス-
「別の海行く?」
ハルが案を出してくれた
別の海?ってどこだろなんて考えてるのも束の間ハルが私の家の近くにあるの!と続けて言う
男ふたりはなんでもいいらしくいかにもお前らに任せるよって態度でタバコの煙をプカプカと浮かばせてる
……レンも吸うのかよ
どうやらハルとレンは2人とも私たちとは違う学校に通ってるらしくレンも私と同い年
私タバコの匂い嫌いなんだよなぁ。
「おれもバイクで来てるから現地集合で」
レンのバイクはよく大学生が乗ってるような
種類は詳しくないからわからないけどそんな感じのバイク
セナのとはまたタイプが違う
「セナ!!!場所わからないでしょ?ちゃんと着いてきてね!!」
ハルがお馴染みの笑顔でセナに言う
レンの後ろにちょこんと乗るハルはなんだか嬉しそうな顔をしている気がした
「いや、多分わかる。おれコンビニ寄るから先行ってて」
あ?そう?じゃあ待ってるねと言い残し2人が先に出発した。
セナはマイペースにタバコを吸う
私はセナが吸いきるまで見たいものがあるわけじゃないけどいつもの癖でスマホをいじる。
「さ、行きますか」
タバコを吸いきったセナが吸殻を地面に落とし踏みつけた
「ポイ捨てすんな」
注意した私に少しおどけながら耳を塞いで聞こえないフリをする
セナにヘルメットを渡される
セナのバイクの後ろに乗る
「落ちるなよ」
言われた通り落ちないようにセナの腰に腕を回す
なんだろう、ここに着く前まで免許無いなんてって大騒ぎしてたけど
今はすごいここが落ち着く
案外居心地がいいのかもしれない
「セナ」
用がある訳じゃないけど何となく名前を呼んでみる
自分の耳にも届いていない小さな声
それを丁度エンジンを付け大きな音を出してるバイクにかき消された
でもセナは振り返って私にこう言った
「良かった、楽しそうじゃん」
私は聞こえないフリをしてもっとキツく腕を回した