ephemeral house -エフェメラルハウス-
「おまたせ!」
相変わらずの笑顔で戻ってきたハル
の横でいかにも状況を飲み込めてませんって顔したハルの友達が立っていた
「紹介するね、わたしの友達のレンくん!」
ほんと、こういう時どうすればいいのかわからない
「あ、ゆいです」
とりあえず名前を名乗って頭を下げる
「おれは」
セナも続いて挨拶をしようとした
「セナくん?だよね」
レンの言葉にハルが目を丸くしてる
「あれ?知ってんの?」
これはまた意外な展開
「先月?だっけか、箱で見かけた」
「お、あれか」
何の話だか全然わかんない
「じゃあレン?くんも出てたってこと?」
「いや、おれは友達見に行ってただけ」
いや全然わかんない
「先月のって?」
ハルも話が見えてこなかったみたいで訪ねてくれた
「バンド」
「あ、歌ってそういうこと」
「そう、そういうこと」
「なんだか凄い!!!」
ハルが嬉しそうに言う
「いや、おれ1回しか見てないからあれだけど」
唐突にレンが語り始めた
「めっちゃ上手いわけじゃないんだけど特徴のあるっていうか癖のある歌声と曲の世界観がマッチしてるっつーか、荒削りだけどそれもイカしてるっつーかオリジナル曲も売れ線なメロディにマッチしてない暗い歌詞がまた面白いっつーか」
「いや、めっちゃ語るやん」
思わずツッコミを入れてしまう
さてその褒められてるセナはというと……
「だろ?君わかってるねー」
こちらはめちゃくちゃ得意気にドヤ顔で耳を傾けていた。
「でもライブの時と全然雰囲気違うね」
「え?そうなの?」
ハルが尋ねる
「意外と明るくて人間味ある人じゃん」
いや、セナはそういう人ですよ
「ライブの時のあの今にも死にそうっていうか日頃魂削って生きてる感じっつーか」
「そうか?」
セナはもうこの話題には興味が無いらしくて素っ気なくなった
まあいつもの気分屋のセナだなって感じ……
「てか、これからどうする?」
セナがこれはまた唐突に聞いてきた
「言い出しっぺなんだからあんたが決めなよ」
「じゃあゆいちゃん家に….」
「殺すよ?」
「はい、すいません」
このいつも通りの絡みにハルもレンも笑ってくれる
なんだか不思議だ
あぁ…そういえばこの街に来てからこうやって友達と遊ぶってしたこと無かった
なんでこんな事になってるんだっけ
あぁ…そうだ、セナが私を勝手に連れてきたからだ
セナ
どんな歌を歌ってるんだろ
自分で作ってるのかな?
バンドとか全然詳しくないからなんでもいいんだけど
でも見てみたいかも
上手くないって言ってたしバカにしてやろっと