巡り行く季節の中心から【連載中】



親睦を深めろと言わんばかりに交流会が続くのは嬉しいことこの上ないが、そろそろ話も尽きてくる頃合いだ。
とは言え、明日から嫌でも時間割にいらない項目が乱入してくるんだろうし、今はこのひと時を満喫するべきか。


「あれ、アイツ……」


進藤とシゲに誘導されて現在クラスの男子の大半が集まった輪にいる俺は、先程「転校生として何か一発芸をしろ」だとかいう無茶ぶりを投げられ、半ば捨て鉢になって流行りのお笑い芸人の真似をしたところ、思いの外ウケたことに心底安堵しつつ、なんとなく教室内を見渡した時に視界に入った不自然な光景を二度見してしまった。
この騒がしい中、窓際の席で寂しそうに一人本を読んでいる女子生徒がいるのは気のせいじゃないよな。


「なあシゲ。あれさ……」
「あー、米澤ちゃんのこと?」
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