腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

 すると三枝先生は、

「蜘蛛ってね、網張って獲物来るまで待つんですよ。網にかからなければ食べられない」

と違う話をし出した。

「蜘蛛? 何の話です? 研究の話?」

「でも、あの人は、他に何がかかっても興味なし。ただ一人がかかるのをずっと待ってる感じです。かなり年下だから遠慮もあるだろうけど」


 三枝先生の言ってること、よくわかんない……。
 年下? 須藤先生の好きな人がってこと?

 私は首をかしげる。
 すると三枝先生は普段見せないような表情で笑った。


「ふふ、おもしろいですね」

「え、なに? どこが?」

「あんなにわかりやすいのに、相手に伝わってないところです。孔雀のオスが羽を広げてメスを誘惑してるのに、メスはその羽が見えてない、みたいな感じで」

「はい?」

 三枝先生はそう言うと、楽しそうに笑って実験室に戻っていった。

 須藤先生の話?
 須藤先生が誰かを好きって話?

―――それ、誰だ。


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