腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

 私は席に着くと素早くコーヒーを注文し、カバンからここに来る途中で引き出した封筒を机の上に置いた。

「これ、もしよかったら使ってください」

「……え、あの?」

 田中さんが戸惑いの表情を見せる。
 私は相手が遠慮しないように微笑んだ。「いいんです。使う予定もないし」


「いいの?」

「はい、もちろん」

「ありがとう。すぐ返すよ。ドルを日本円に変えたらすぐに」

「いつでもいいですよ。結婚するんだし」


 私は微笑む。
 
 私ね、本当にお金は使うことってあまりないの。
 実家に住んでいるし、今の給料は洋服代とスマホ代以外に使うことはない。
 家にお金をいれようとしても、親(特に父)に断られるので、それ以外は使う当てもなくただただ貯金していたのだ。

 それを結婚する相手を助けられるものに使えるなら嬉しいのだ。

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