腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

「ここ美味しいから、いつかあげはを連れてきてあげようと思ってたんだ」

 須藤先生はさらっとそういうことを言う。
 そんなこと言われたら、嬉しいに決まってる。

 さすがだ。
 さすがゲスドウ先生だ。


「あ、ありがとうございます」

「でもホテルの中のお店だからさ、ちょっとね。気軽には誘いにくいなぁって思って」

「そういうこと、須藤先生でも気にするんですね」


 私が言うと、須藤先生は苦笑した。
 そしてメニューを手に取ると、


「あげは、何かお酒でも飲む?」


 そう言われて、私はごくりと息をのんだ。
 それからまっすぐ須藤先生を見る。

「……ジュースがいい」

「え……。なんで?」

「『覚えてて』って先生が言ったからお酒飲まない」


 恥ずかしいので、一言で言い切る。
 それは、今夜への返事。

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