腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】


 訳が分からないまま、飲み込めなくなった唾液があふれて頬を伝う。
 先生はそれすらも舐めとって、私と目が合うと妖艶に微笑む。

 それを見ると、また身体が熱くなった。


「キスだけでやばいな……」

 先生がつぶやくようにそう言う。

―――それはこっちのセリフですがっ……!


 言おうと思って口を開いたところを見計らったように、また舌をねじ込まれる。
 室内にはただ、言葉にならない音だけがこだましていた。

 キスと一言で言っても全然違う。
 前に田中さんとしたのと全然違った。

 そう思ったのがバレたのか、

「あげは? 僕とキスしてるときに何考えてるの? まさか他の男のことじゃないよね」

 刺すような目でそう告げられると身体が固まった。
 こわい! なんでわかったの!


「ち、ちがいます!」

「あげはは嘘が下手だね。どうせ、田中と比べたんでしょ」

「う……」

「ふうん、まだそんな余裕あるんだ。こっちはとっくに余裕なんてなくなってんのに」


 そのまま抱え上げられ、広い広いベッドの上に押し倒される。
 須藤先生に上から見下ろされて、その顔に、瞳に、背中がゾクリとする。

 須藤先生、男の人の顔、してる。


< 131 / 252 >

この作品をシェア

pagetop